横浜市の旗状敷地に建つお施主様ご夫婦二人と小さな犬のための住宅です。
必要条件は将来の家族構成の拡大や大勢の来客を許容することを考慮した、大きなリビング空間と駐車スペースの確保でした。
そこで経済性をふまえて、主構造を木造としながら対角14mに及ぶ鉄骨棟梁をかけることで、無柱の大きなリビング空間を実現しています。
また本物件の特徴的な空間でもある、車の必要最小な旋回スペースかつ、玄関アプローチ空間は旗状敷地のデメリットである採光をプライベート性を考慮した二次間接光として、緩やかに内部に持ち込むことに成功しています。
またマトリョーシカのような入れ子構成のこの建物は、最深部の一番小さな箱が「玄関」となっています。それは従来、一番外に近い機能を持った「玄関」を前途から中心に配置することで、各諸室に至る経路(廊下)を最短とすることができ、各部屋の面積を立体的かつ最大に分配することを可能としています。
常に建物全体を感じることの出来る構成でありながら、一般的諸室の私的空間も生み出すことが出来たのではないかと考えます。住宅地ならではの立地環境からプライベート性を考慮した「閉じながら開く」新しい住宅の提案となりました。
建築概要
計画地 :神奈川県横浜市計画内容:新築 木造2階建
建築面積:77.80m²/22.53坪
延床面積:142.60m²/43.14坪
用途 :一戸建の住宅
構造設計:なわけんジム
施工 :栄港建設
写真 :鳥村鋼一
受賞・掲載等:
新建築社「住宅特集」 2013年2月号 掲載
「渡辺篤史の建もの探訪」2013年12月 放映
日本テレビ 「スッキリ!! 」 2013年12月 放映